【2019.秋】

 猛暑と災害の夏が過ぎ、やっと秋らしい日が続いています。来年のオリンピックを見据えての酷暑対策や急な悪天候への課題といっそうの対策が必要と言われています。というような書き出しで今回は始めようと思っていましたが、その後、台風19号・21号と低気圧による記録的な大雨で、各地で河川の氾濫や土砂崩れが相次ぎました。特に、5県27河川での浸水被害は当地域でも発生し、現状を目の当たりしています。この災害で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。

今回の災害では、想定以上の雨に自治体が対応しきれなかったケース、や住民が非難の呼び掛けに応じなかった例もありました。冠水のスピードにより、避難準備や避難指示をする呼び掛けのタイミングが難しく、さらには、自主避難が困難な住民の方もおり、不幸な事例が多々ありました。台風19号の上陸から2週間が過ぎましたが、住宅の全半壊は3400棟を超え、浸水は7万棟近くに上り、避難所で生活をしている方々は6000人を超えているようです。被災された方々は疲れ切っていることと思いますが、一刻も早く平常の生活を送ることができるよう建設産業に携わる者としてできうる限りの協力をしていきたいと思います。

東日本大震災から8年半が経過しましたが、映画『サンマとカタール〜女川つながる人々〜』の中で、「難しいだけで不可能ではないと伝えたかった」という言葉がありました。復興に立ち上がる宮城県女川町の人々を追った映画なのですが、冷凍冷蔵施設建設にあたり、「工期も人手も資材の調達も全て無理のある中で、それでもやり抜く」と突き進んだ方が言った言葉です。当時、町民みんなが下を向いている時、何とか顔を上げて貰うためにもそれをやり遂げたということは、「頭で計算したものに従い立ち止まる」のか、「自分の内側から湧いてくる‘何か’に従い突き進む」のかといった思いの違いではないかと思います。生きていれば誰もが様々な困難にぶつかりますが、そんな時、自分の内側から湧いてくる「何か」に集中し、それを大切にしていこうということだと考えます。


 

【2019.夏】

また、更新が遅れてしまいました。ここ数年は、異常気象が続き、洪水、台風、熱波などが、人々の暮らしを脅かしています。台風15号では、千葉県を中心に関東に大きな被害をもたらしました。

東日本大震災を経験している私たちでも、台風被害の状況を知ることで、改めて対策の必要性を痛感しています。窓や開口部は、補強を含め点検する。排水溝や側溝は、水はけを保つようにする。庭木や塀なども含め、飛散防止に努めるなどの外部の対策や、飛散防止フィルムなどの防護やガーテンやブラインドの確認、停電時の準備や避難用グッズ・水・食料などを用意するなどの内部的な対応をしていかなければなりません。

いずれにしても、雨や風が強くなってからの作業は危険であり、最新情報を確認し、早めの対策を行うことが急務です。また、近所の避難場所や避難経路、そして、市町村が作成しているハザードマップで危険個所を確認しておくことも必要です。

小豆島のヤマロク醤油は、稀少の、木桶を使った天然醸造の醤油屋として醤油通の間での有名店です。その5代目の山本康夫社長さんは、「自分たちは百年後の人たちの為に、醤油の木桶を作っておく」と、5年10年単位ではなく、‘代’(孫子の代まで…)につながる生き方を教えてくれています。山本さんが新しい桶を発注した際、残り一社となった桶屋の職人さんから、「後継者がいないので、自分の樽は自分で直せるようにしておけ」と言われたそうです。そこで、「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げ、仲間と桶屋さんに弟子入りすることで、2年をかけてようやく自分たちの手による新桶を完成させたということです。

山本さんの取り組みや生き方を知り、考える時間の単位(サイズ)で、行動が違ってくるのだと実感しました。‘代’という、長い時の流れをイメージした時は、過去を生きた人たちの心の奥底から湧きあがる、突き動かされるような衝動が、今を創っているのではないでしょうか。

過去からの人々の思いに触れ、心に熱く響くものを受け取りました。


 

【2019.冬】

昨年暮れには若干積雪がありましたが、穏やかな新年を迎えることができました。今年の干支は、「己亥(つちのとい)」ということです。エネルギーに満ち溢れた時期であることを示す「己」と安定した準備期間に向いている「亥」という意味があるそうですが、これまでの常識や慣習にとらわれず斬新な発想で果敢に挑戦する「猪突猛進」に期待したいと思います。

昨年は、2月上旬に日本海側で記録的な豪雪となり、夏場には大阪・北海道での地震、西日本での豪雨災害があり、気象庁が臨時会見を開くほどの災害級の暑さなどもあり、天災が相次いだ年でした。さすがに経済活動にマイナス要因として働きましたが、下ぶれはいずれも一時的なものであり、回復基調が持続し「いざなみ景気」の73か月に、景気拡大期間が並びました。今年は「平成」が終わり、5月から始まる新たな元号のもと内需のけん引力を背景に、消費増税後も景気の腰折れは回避できるのではないかと思います。

正月と言えば箱根駅伝ということになりますが、テレビで観戦していると気になるコマーシャルが流れてきました。サッポロビールの「大人エレベーター」シリーズです。俳優の妻夫木聡とメジャーリーガーの田中将大との対談形式で進みますが、数パターンありそれぞれに深い話と感心させられました。妻夫木さんが、「運は必要ですか」と問いかけると間髪入れず「必要です」と答える田中選手。「自分自身が前向きにやるべきことをやっていれば、運が向かってくる。飛び込んでくる。」というメッセージが続きました。まさに「私たちの仕事・生活」に当てはまる言葉と感じました。

長期的に見ても、本格的な人口減少が進んでいく中での経済成長の実現を目指し、生産性向上や体質強化を、やれることから取り組んでいかなければなりません。


 

【2018.秋】

今年の夏は、真夏日を超え猛暑日といった日が続く過酷なシーズンでした。さらにその後は、局地的な豪雨や21・24号を代表とする連続的な台風にみまわれました。私たちの身近な地域でも経験はあるものの、対応には再確認が必要と感じております。

また、会議に出席のため出張中だった私は、9月6日に発生した北海道胆振東部地震に遭遇してしまいました。大きな揺れではありましたが、東日本大震災を経験していましたので、大丈夫ではないかと簡単に考えておりました。ところが、停電の時間が思ったより長く、情報が閉ざされる事態となりました。土砂崩れ等で被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。そして、改めて冷静な判断と行動が必要と考えさせられました。

東日本大震災時の状況や情景を思い起こしましたが、私たちの地域でもあれから7年以上が経過し、10年目を見据えて地域創生の姿を確実にしていかなければならないと感じています。

プロボクサー村田涼太選手は、プレッシャーに押しつぶされて、それまで自分の武器であった試合で「前に出る」ことが出来なくなった時、様々な哲学や心理学の本を読んで目が開かれたと言っています。そんな苦悩の中で見いだした答えが、「プレッシャーは引き連れて戦う」ということのようです。「なぜ出来ないか原因を追及するのではなく、今目の前にある(差し出される)現実(問いかけ)に誠実に答え続けるしかない」ということを結論付けたのでしょう。

私たちも、その問いに答え続ける覚悟を決め、プレッシャーを力に変えていければと思います。


 

【2018.春】

今年は冬が厳しかったため、いつもの年より待ち遠しい春でありました。

 東日本大震災の発生から7年が経過しました。復旧・復興から再生へ、そして、発展へと取り組んできた年月ではあります。宮城県をはじめ各自治体の「震災復興計画」は、終盤の「発展期」に入ったと言われておりますが、まだまだ道半ばといった状況が見受けられます。地域の未来をつなぐため安全・安心と快適な暮らしを支える地域建設産業としての取り組みがさらに重要になってきます。

平昌オリンピックでも大活躍したフィギュアスケート羽生結弦選手の発言の中に「努力は嘘をつく。でも、むだにならない。」という言葉がありました。目の前の目標や成果は、瞬発的なエネルギーを引き出しますが、その事に自分がのみ込まれたり、成果が出ないと分かるとすぐに努力を辞めてしまう危険性があると思います。それに対して、長い時間を視野に入れて取り組むには、「やらないわけにはいかない」「動かずにはいられない」というような、深い深い、自分の根源から湧いて出てくるエネルギーを必要とします。その、短い時間と長い時間の双方をしっかり生きてきたからこその今回の快挙だったのではないでしょうか。他の多くの選手からもいただいた感動と、同時に受け取ったひたむきに取り組む姿が伝えるメッセージを、自分自身のエネルギーにしていければと思います。

 平成30年は、すでに天皇陛下が生前退位されることが決定しており、来年の4月末日までは「平成」であるかもしれませんが、「平成」の締め括りの年ではないかと考えます。歴史の転換期でもあり、現状の行いをそのまま続けるのではなく、良い変化というか進化を遂げ、新たな目標を加えて次のステージに進む良いタイミングではないでしょうか。


 

【2018.冬】

今シーズンは、全国各地で非常に雪の多い冬になりました。

箱根駅伝の青山学院大4連覇で始まった今年ですが、昨年も卓球女子の平野美宇選手がアジア選手権で初優勝したり、高校野球では清宮幸太郎選手が通算111号のホームラン記録を作ったり、陸上では桐生祥秀選手が日本人史上初の100メートル走9秒98という記録を生み出し、若い選手たちが大活躍した年でした。今年は冬季オリンピックもあり、若い選手たちの活躍から目が離せない年になりそうです。

アテネ五輪サッカー日本代表監督山本昌邦さんは、「わずか3分の為に、サッカー選手は87分走り続ける」ということを話していました。90分間のサッカーの試合で、ボールに触っている時間は、上手な人でせいぜい3分くらいであり、その3分の為に、選手は87分間必死で走り続けるということです。当たり前のように試合を見ていますが、考えてみると、もの凄く過酷な事であると思います。

ゴンの愛称で知られる中山雅史選手が、どうしてもチームを盛り上げるベテランの存在が必要ということで、山本さんが、遠征先のスペインから招致の電話を掛けた時、中山選手は「山本さん、俺、電話待ってました」「俺はいつだって絶好調です」と答えたそうです。例えハッタリだとしても、そう言える自信につながる練習や生活、メンタリティーを持ち続けているからこその間髪入れずの言葉だと思いました。成果が出るか出ないか分からないのに、あたかも成果が出た時の自分であるかのように自分を保ち続けることは、87分を走り続ける力と同じだと思います。

サッカー界のエピソードではありますが、我々の日常の仕事・生活に置き換えても、色々教えられることがあると感じます。